鉄道趣味初心者のための「うえさんの鉄道講座」  

うえさんのページ

鉄道における「記号、番号、数字」の世界

数学はあまり得意ではないのですが・・・笑

鉄道には数字があふれています。

まずは「車両の形式」

「○○○系」などと言ったりしますが、
「系」とは同じ編成に組まれた車両のまとまり。
「113系」や「475系」「681系」など
国鉄から引き継いだJRの電車は
3ケタの数字で表すことが多いのですが、
この3ケタ、
「百の位」が電気方式を
「十の位」が車両の用途を
表しているので、
鉄道趣味人は、ホンモノを見たことなくても
形式だけでその電車の用途を知ることができます。

「系」の中の1両1両にも記号があり、
たとえば113系の場合
モーター車は、モハ113形とモハ112形がペアになって動きます。
113という奇数と そこから1を引いた偶数の形式でユニットを組む
というのも鉄道独特のシステムで、
この数字の持っている意味と奇数偶数というのが鉄道の世界では
重要な意味を持ちます。

※詳細は、弊HP内
なまらマニアックな 113系 スカ色」 こちら にて。



もし手元に「時刻表」がありましたら
ここから先は時刻表を片手に読んでいただくと、
より楽しいかもしれません。
最新版でなくてもかまいません。
ちょっと前に行った旅行の際買った数年前のやつで結構です。

それをもって駅に行ってみましょう。


ここでは例として「JR新宿駅」にやってきました。

中央本線の特急「あずさ」号が発車していきます。

甲府方面行の「あずさ」を見ていると
発車順に
「スーパーあずさ1号」
「あずさ3号」
「スーパーあずさ5号」
「あずさ7号」
「あずさ9号」

となっています。

お気づきのように、1号から3、5、7と奇数の号数ばかりが並んでいます。

「んじゃあ、歌にもなった あずさ2号はどこへいったんだ?」と
なりますよね?4号や6号の所在も気になります。

そこで時刻表の「上り」のページを見ると
ありましたありました。
2号、4号、6号。

実は国鉄、JRでは、特急の号数や列車番号は、
下りが奇数、上りが偶数と決められているのですね。

日本の国鉄は「東京駅に向かってくる列車」が「上り列車」
「東京駅から離れていく列車」が「下り列車」とされていて、
東海道本線を基準に、「東海道線から分かれていく支線」は
「東海道本線」から離れていく列車が「下り列車」となっています。


なので先述の「あずさ2号」は新宿へと向かっていく上り列車。
「まてよ。それじゃあ歌詞と合わないぞ!」
と思いますが、実は昔は上りも下りもそれぞれ
1号、2号、3号があったそうですが、
紛らわしいので東海道新幹線開業時に上りと下りで
号数を分け、在来線もそれに従ったようです。



なので
「さざなみ1号」は下り列車
「しおさい2号」は上り列車
「サンダーバード10号」は上り列車
となるわけです。

これは特急に限らず、
普通列車や快速列車の列車番号にも適用されています。
列車の前面に325Mとか740Mとかの表示が出ていますが
これだけで325Mは下り列車、740Mは上り列車と
わかってしまうのです。面白いです。よね?笑


ここで素朴な疑問が生まれます。
「東京駅が始発や終点の電車はともかく、
東京駅を超えて走る電車はどうなるんだ?」

筆者の地元を走る総武快速線は、
千葉方面から東京駅を超えて横須賀線の逗子方面へ
直通しています。

この場合、千葉方面から東京までは上り列車、
東京駅から逗子方面までは下り列車となります。

そのため、東京駅で列車番号を変えています。
東京までは偶数の、東京からは奇数の列車番号にしているのです。

同じような例は京浜東北線にもみられます。
都内をひたすらぐるぐる回る山手線はどうでしょう?
山手線は品川起点で新宿方面に開通していった歴史的経緯から
品川から新宿へ向かう外回りを下りとして見ているようで、
1週ごとにどこかの駅で列車番号を変えているようです。

東京から離れた地域でも、上り下りで列車番号が
わけられていますが、
ここで問題になるのが長距離の特急列車です。
ある路線では下り列車として走り、
ほかの路線に直通したら上りになる。
でも、途中で「号数」を変えてしまっては、
乗客にはわかりにくい・・・。



2015年3月14日に北陸新幹線が金沢まで全通しましたが、
それまでは、上越新幹線越後湯沢で新幹線に接続し、
北越急行経由、北陸本線金沢まで走る特急「はくたか」。
東京から金沢方面に向かう乗客にとっては、
越後湯沢から金沢方面は「下り」のはずなのに、
「はくたか2号」「はくたか4号」と偶数の号数です。
列車番号もそれぞれ「1002M」「1004M」と偶数です。

これは直通先の北陸本線に合わせているためで、
北陸本線では「直江津方面から大阪方面」に
向かう列車が上り列車。

「はくたか」号は上越線の六日町までは「下り列車」なのですが、
走行距離が短いので、
走行距離の長い北陸本線のシステムに合わせているのです。
また北越急行ほくほく線も「はくたか」に合わせ
「直江津方面」が上り。
上越線の越後湯沢〜六日町は、
水上・越後湯沢〜長岡方面の普通列車と
北越急行関連の列車で上下番号の奇数偶数が異なる区間に
なっています。


このように鉄道の世界では
数字は奇数と偶数でわけられていることが多く。
その意味を探っていくと興味深いものがあります。

そういった観点で時刻表を眺めてみるのも一つの楽しみです。


2014(平成26)年10月26日、アップロード。
2015(平成27)年11月18日、一部加筆修正。